難しいけど面白い!新しい発見が尽きない日本舞踊の魅力

葉月流二代目家元の葉月雛丸です。
神奈川県伊勢原市で日本舞踊と総合行儀作法のお稽古場を開いています。

*総合行儀作法…一般的な行儀作法に加え、食事マナー、抹茶、煎茶、生け花などを総合的に学びます。

今日から2回に分けて、「日本舞踊の魅力」をお話いたします。

日本舞踊になんとなく興味はあるけど、ちょっと敷居が高いかな…
面白そうだけど、具体的にどんな魅力があるのかな?

こんな風に思っている方は、ぜひお読みくださいね。

今回は、物心つく前から日本舞踊が日常だった私が感じる、日本舞踊の魅力をお話します。

(次回記事:習っててよかった!お弟子さんが語る日本舞踊の魅力の数々

体を使って表現することが難しい。けど、面白い!

日本舞踊は全身を使った表現活動です。セリフがある場合もありますが、ほとんどは体の動きや仕草、所作、表情だけで物語を表現します。

日本舞踊では体の動きを、舞い・踊り・振りの3つに分けて考えます。

「舞い」は、上半身、手の動きを中心とした静かな動きで、足を滑らせるように使うのが特徴です。

「踊り」は、下半身の躍動的な動きが特徴です。足を踏んだり、時には跳ねたり、軽快なリズムにのせて、動きや間の面白さを見せます。

「振り」は、身振り手振りの「ふり」と同じ意味で、日常生活の具体的な動きをあらわしたものです。

これらが演目の中で組み合わされ、展開し、舞台の上で物語を表現するのです。
これはとても難しいのですが、とっても面白いんです。

役柄・物語を演じることに、想像し解釈する楽しさがある

表現するためには、役柄や物語を理解する必要があります。自分が演じる人物は、どんな人物なんだろうか、どんな背景や心の動きがあるんだろうか、と想像し、物語を解釈することも、とても楽しいんです。

日本舞踊の演目には、歌詞があります。歌詞はいわゆる「古文」で書かれているので、分からない言葉を調べながら、登場する人物や時代背景についても調べたり。

日本舞踊には歴史的有名人(例えば、源義経、弁慶、静御前、曽我兄弟など)や、江戸の風物などがたくさん出てきます。

私がお弟子さんを教える時は、おおまかなストーリーはお話しますが、細かいことはお弟子さん本人の好奇心にゆだねて、調べてもらっています。教科書だけで何となく知っていたことが、自分が踊る日本舞踊に登場して、がぜん興味がわいた、というお弟子さんも多いんです。

時間的な贅沢。時とともに解釈や表現が変わる面白さ

演目の内容を想像し、解釈し、演じることが、難しいけれど楽しい。ここまでそんなお話をしてきました。

ここにもう一つ加えたいのが、「同じ演目でも時とともに解釈や表現が変わる」という面白さです。

私は、16歳の時に「櫓のお七」という演目を踊りました。
「櫓のお七」というお話は、お七という16歳の少女が、ある時起きた火事の避難先だったお寺の小姓・吉三(きちざ)に片想いをし、再び吉三に会いたいがために放火の罪を犯して火あぶりの刑に処せられる、という話です。

当時は、「好きな人に会いたくて死ぬなんて、昔の人はすごいな」くらいに思っていたのですが、今になって考えると、そのようなあまりに、まっすぐな行動は、純粋に本能のまま突っ走れる10代だからこそできたことなのかな、と自分の10代のころを振り返り、重ね合わせながら、お七の心情を慮ることができます。

日本舞踊は身体芸術だからこそ、解釈の多様性があり、年齢を重ねても、また新しい発見があります。「古典」と呼ばれる昔から受け継がれてきた作品には特に、そのような「時間的な贅沢」が味わえる魅力があると思います。

日本舞踊にご興味がある方は、ぜひ一度、体験レッスンへお越し下さい!

体験レッスン概要

料金 3.000円
所要時間 45分~60分
持ち物 浴衣、着物をお持ちでしたらご持参ください
レンタル 浴衣一式レンタル料 1,000円
当日の流れ(目安)
10分 カウンセリング
(教室のご案内、自己紹介、日本舞踊に興味を持ったきっかけなど)
 
30分 お稽古
(着付け(ご希望の方)、挨拶の仕方、基本動作、音に合わせて踊る、美しいしぐさポイントなど)
 
10分 感想
(本日の感想、教室に関する気になることなんでも聞いて下さい)

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